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トランシルヴァニア

「トランシルヴァニア」を観た。
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姿を消したロマの恋人ミランを探しに、ジンガリナは友人のマリーとミランの故郷、ルーマニアのトランシルヴァニアへやってくる。言葉も通じない地で、ジンガリナはようやくミランを探し出すが、彼はもう彼女を愛していなかった。すでにミランの子を身ごもっていたジンガリナは深い絶望に落ち、マリーと別れて異国をさまよう。

「アーシアの新作」というだけでとりあえずレンタル。アーシアファンとしては観ないわけにはいきません。ビッチ役やら精神崩壊女役をやらせたらピカイチの彼女、今作でもあらすじに「深い絶望の中、異国をさまよう~」なんていかにも彼女のイメージにピッタリなオハナシのようなのでいやが上にも期待は高まります。

本能をブチまけた抽象画のような映画

この作品、はっきり言って前半はけっこうキツいものがあります。引き込まれるまでに時間がかかるんですね。あらすじを超おおざっぱにまとめると「男にこっぴどくフラれた女の自分探しの旅」なんですが、これが普通のロードムービーと思って観ると大間違い。フラれたショックがでかすぎて映画の前半のアーシアはずっと錯乱してますからね。支離滅裂な行動を繰り返したかと思うと突然狂ったように叫びながら全速力で走り出したり、完全にトチ狂ってます。さすがはアーシア、キ○ガイ女をやらせたら右に出るものはいない。観てるこっちの気が狂いそうになりました。
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全編にわたって鳴り響く民俗音楽と彼女の本能の赴くままの奇行を眺めていると、エミール・クストリッツァ作品を思い出してしまいますね。彼の作品は底なしの陽気さが印象的でしたが、この作品は底なしに陰気です。陰気なクストリッツァ映画ってイメージでしょうか。荒涼とした風景を映し出すばかりの映像はその陰気さに一層の拍車をかけています。

とにかく彼女の行動は普通じゃない。理屈じゃなくて本能です。妊娠してるのにホームレスですからね。というわけで映画としての筋の通ったストーリー性は皆無に近いので、映画の前半はヒジョーに辛い。思わず布団に入りそうになりましたからね。それでもアーシア映画だけに何とか最後まで観てやろうと頑張っていると、中盤あたりから引き込まれました。といっても別にこの錯乱女に同調しだしたわけではなく、途中からは回復してマトモなロードムービーのようになるからですが。
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このあたりからようやく映画としてストーリーを楽しむことができるようになります。こんな錯乱女を偶然出会っただけで何故連れまわすのかサッパリ理解できない男もこの際だから気にしないでおきましょう。とにかくこの男との車上生活を通してアーシアは「自分らしさ」を見つけていくわけです。私のような品行方正な真人間からすれば「単に好き勝手やるだけの我慢の効かないコなだけじゃん」と思わずつっこみそうになるのですが、そんな普通の意見はこの映画には的外れもいいとこなので、喉元まで出かかった言葉をグイっと飲み込んで映画を眺めます。ブレーキが壊れた自転車のようなアーシアの行動をどう受け止めるかによって、鑑賞後の感想が大きく変わってくる作品でしょう。


「トランシルヴァニア」
★★☆☆☆☆

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映画としてはあれで終わりでいいんでしょうけど、彼女のその後に全く未来が見えないのが辛い。あれが彼女の見つけた生き方なら、未来がありませんからね。刹那的すぎるというか、いい年こいて赤ん坊抱えてやる生き方じゃありません。あの後、男といっしょになるにしろ、フランスにかえるにしろ、結局は元通りの型にはまった生活に戻らないと生きていけないのは自明の理。そう考えるとあまりにも説得力に欠ける作品でした。




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Comment

こんばんは。
自分はこの映画が好きなのですが、この映画の魅力をどう説明しようかと思ったら、正直頭を抱えてしまいます。
アーシアファンでありながら、ばおたんにもダメだったんですもんね。

確かに、現代生活の中で適合して生きていくことの出来る人には、この作品は何も響かないかなあ、と思います。
愛と絶望と相克する魂、人間の不変性を考えたら、現代は単に複雑化しただけで、魂レベルでは何も変わっていないのではないかと私は思うので。

>とらねこさん
いやーすいません、ビミョーでした(苦笑)

>この映画の魅力をどう説明しようかと思ったら、正直頭を抱えてしまいます。

あ、それはわかります。映画として描きたいことはわかり易い作品だと思います。この手の映画はなんだかんだで結構観てるので、とらねこさんの琴線に触れる部分も理解できるつもりです。口では説明しにくいですけどね(笑)その上で「頭でわかっても心に響かなかった」んですよね~・・・このへんは個人差が多いにあると思います。

個人的には「未来への希望」が大好物なのでwアーシアのその後が全く想像できない着地の仕方が少々物足りませんでした。

ばおたんの影響で、この作品が公開になる時には
気になってレビュー読んだりしたけど、
多分私は最後までもたないなと思ったので見てません(笑)

私の中で、美しきキ○ガイ女といえば
なんといってもイザベル・アジャーニですよ!
フランスではカトリーヌ・ドヌーヴとともに
年を取らないサイボーグ女優として有名(笑)
彼女の出演作って何か見てる??

こんにちは

この映画 木曜から公開になったので観ようかどうしようかな (家から2時間くらいかかる映画館で上映されてるんです) って 迷ったときに新聞の映画評の星は

2つ

どーしよーか と 思ったのですが Baohさんの評を読んで はい DVDでOK!です。
ありがとうございました!

>yupuさん
うーん、この作品はかなーり好みがわかれそう・・・このアーシアに自分を投影できればかなりハマるみたいだけども、それができる人は希少(笑)

イザベル・アジャーニは「ボン・ヴォヤージュ」だけしか観てないなー。唯一レビュー未完のまま記事にした作品。それほどつまらなかった(笑)その作品でもサイボーグっぷりは健在でした。あの人、実はCGなんじゃないの(笑)

>プリシラさん
これ、ハマれる人とハマれない人がはっきり分かれる作品なので・・・プリシラさんはどうでしょう?ハマれなさそう(笑)はい、私もハマれませんでした。2時間かけて劇場行くくらいなら、その2時間使って家でDVD観たほうがいいかも(笑)
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#144.トランシルヴァニア

ちょっと早いけど、私の今年のナンバー1映画、出たって感じ。間違いなく、これでキマリ。ちなみにナンバー2ももう出たのですが、それはまた次の機会に・・・。

トランシルヴァニア

2006年 フランス 2007年8月公開 評価:★★★★☆ 監督・脚本・音楽:ト
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