アメリカン・スプレンダー 

「アメリカン・スプレンダー」を観た。
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自分のさえない日常をコミックの原作として書き続け、全米ではカルト的な人気を誇るまでになった作家、ハービー・ピーカー。病院での事務職を続けながら、彼がネタ作りに悩む日々を、さまざまなアーティストとの出会いや、熱狂的なファンの女性との結婚、ガンとの闘病も織り込んで描く。

自分の日々の生活を漫画にするってある意味究極な気がします。生きてる限りネタが尽きないんですもの。でも読者を喜ばせるためには「朝起きて屁ーこいて夜寝ました。」なんて3コマで終わる漫画ではいけない。なんでもない日常を面白おかしく描かなきゃなりませんからね。常に周囲の会話に耳を澄ませ、他人の一挙一動に注目しながらネタを拾い集めていかないといけないのです。いわば毎日の1分1秒がネタ作り、そういう意味でも究極ですね。


そんな漫画がアメリカで実際にあって、それが「アメリカン・スプレンダー」。なんと25年も連載しつづけているという長寿コミックというからこち亀もビックリです。なんでもない日常をシニカルに描いているというから、やっぱりこういう作風というのは長寿連載の秘訣なのかもしれません。日本でいうところのサザエさんやチビまるこちゃんみたいなもんでしょうか。

そんなコミックを映画化したのがこの作品。漫画のイラストやふきだしが実写に混ざってたりしてなかなか面白いですね。
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内容といえば、冴えない毎日を送る主人公が自分の日常をコミックにしながら、それを通じて経験していく出来事を綴ったオフビートなドラマといったところでしょうか。原作者本人がナレーションを勤めつつ、実際に画面に登場して「俺のモデルがこいつさ」なんていいながら進行する展開は作品に妙なリアリティをもたせています。てか、主人公もその妻役の人も、本人にやたら似てるんですよね。途中で原作者本人が出演したTVのトークショーなんかも挿入されるのですが、全然違和感なくて笑えます。
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ネガティブ発言ばかり繰り返す主人公も、最初はその情けなさっぷりにクスリとできるのですが、それがずっと続くので後半は少々ダレ気味になってしまいますね。そんなヘンテコ親父と結婚する女もこれまたかなり特殊なカンジの女性なのですが、彼女の笑えるエピソードとか、この親父が惹かれた彼女の魅力なんかがほとんど描かれていないのが少々残念なところです。淡々とした流れの中、出会って一瞬で「じゃあ結婚するか」なんてアキ・カウリスマキ作品を彷彿とさせる展開ですが、いかんせんあそこまでシュールでもないのでいまいちハマってないのが辛いところですね。
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常時しかめっ面でネガティブな主人公も、そんな日常をコミックにして積み重ねていくうちに人生の大切なものを一つ一つ手にしていくんですね。なんだかんだ言いながらもちょっとづつ幸せになっていく主人公、あいかわらずしかめっ面なんですが、「まぁこんな人生も悪くないよな」なんて言い出しそうなラストシーンが印象的な作品でした。


「アメリカン・スプレンダー」
★★★★☆☆

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  • [2007/12/13 03:15]
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