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息子のまなざし

「息子のまなざし」を観た。
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職業訓練所で更生中の少年たちに木工仕事を教えているオリヴィエ。ある日、その訓練所にフランシスという少年が入所してくる。少年院から出所してきたその少年こそ、過去にオリヴィエの幼い息子を殺した犯人だった・・・

カンヌ常連のダルテンヌ兄弟による作品。「我が子を殺した犯人と出会ってしまった父親」という設定がずっと気になっていた作品。DISCUSでレンタルしたまま1ヶ月程放置状態だったのですが(もったいねー)ようやく鑑賞へと至りました。


あいかわらずのBGM無し、過剰な演出も当然なし、台詞は最低限、そして妙に揺れるカメラとまるでドキュメンタリーを観ているような作品。こうなればラストはいわずもがな、唐突の幕切れからの無音のエンドロールと相場は決まっているのですが、やっぱりそうでした。この手の映画撮る人ってホンットにこの終わり方好きですね・・・まぁこの兄弟の作品ということでそんなことはわかってるので全然オッケーなんですけど。

問題は内容です。これが何とも言い難い、複雑な余韻を残してくれる作品でした。「我が子を殺した犯人を目の前にした時、人はどういう行動をとるのか?」といっても、被害者の状況は様々です。殺され方やその時の状況、その後の犯人の状態によっても被害者の家族の心境は変わるかもしれない。昨今の鬼畜極まりない異常者の犯行などをニュースで観ていると、被害者の家族からすれば犯人なんて100万回殺しても気が済まないでしょう。
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しかしながら今作での設定はかなり特殊です。刑期を終えて職業訓練所に入所してきた少年が犯人、そして教官が被害者の父親なんですね。この少年もどうしようもない悪ガキだったのならこの父親も出会った瞬間に絞め殺して映画は2秒で終わるのですが、妙にマジメでおまけにこの教官を慕っているというからタチが悪い。そう、この少年は「教官はあの子の父親」ということを知らないんですね。父親だけが真実を知った上で少年と向かい合っているわけです。
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今すぐにでも絞め殺したいところをグっとこらえて、この父親は少年を知り、向き合おうとするんですね。「復讐できる立場にいる遺族が加害者と向き合った時どうするのか?」、案外このオリヴィエのような気持ちになるものなのかもしれません。加害者が反省している少年なら尚更でしょう。

といってもそこはカンヌ常連監督、この父親が天使のような微笑で少年を赦して感動のフィナーレだとか、そういう陳腐な展開はあり得ません。全てが明らかになった瞬間、逃げる少年、追いかける父親、復讐の衝動に駆られる父親と加害者の少年が最後にとった行動とは?抑制の効いた劇中から一転、二人の感情が爆発する後半は非常に見応えがあります。そしてあのラスト、無言の二人の共同作業が映し出されるシーンは胸を打つものがあります。といっても単純な「感動」という気持ちではなく、もっと別のもの。決して赦してはいないけど、復讐もしない。ただ、向き合うだけ。殺されたという過去と、殺したという過去、それぞれが過去を背負ってこれからも生きていく。上手く言葉に出来ない、やるせなさのようなものを観るものに与える作品でした。


「息子のまなざし」
★★★★☆☆

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テーマ : どうでもいいこと。
ジャンル : 日記

Comment

これ、見ようと思いつつ

まだ見てないんですよ。なかなか面白そうですね!うん、私も見たいです。
バカ映画を封じて、年末の粉飾決算に臨む最近のばおたんからは、なんだか目が離せないデスね~。
のんきにリクエストなぞしていいですか?自分がすごく面白かったって理由なんですが、『暗い日曜日』。いかがでしょ?

神戸の事件あったじゃない、
男の子の前に殺された女の子がいて、その子のお母さんが言ってたんだけど、
その加害児童(もう大人だけど)の成長がある意味我が子のように気になると
どういう風に更生していくのか、どういう風に自分の罪と向き合っているのか、それを見届ける義務があると
その気持ちはすごく分かるような気がする
我が子のように=愛しいでは全然ないんだけどさ
うちの子の命を取った分、まっとうに生きてもらわないとさ!みたいな

ドラえもんがなんとかしてくれるとかほざいた男じゃこうは思わずに100回同じ目に遭って死ねーって思うんだけど

>とらねこさん
>年末の粉飾決算
ドキ

ななな何言ってるんですか、失礼ですね!ヒッチコックもダルテンヌ兄弟もすごく自然な流れじゃないですか!

・・・すみません、微妙な映画ばかり続いてたのであからさまに名作・秀作狙いでレンタルしてしまいました。何故かこういうのスルーして中途半端な掘り出し物狙いばっかしちゃうんですよね。長年の習性かもしれません。

暗い日曜日・・・観てませんけど、タイトルからしてドロドロの愛憎の末に自殺するハナシですか?(笑)自殺ソングの事知った上で見ても楽しめるならチェックします(笑)

>ぐー
うむー、加害者の子供に面会させてくれ、って被害者の会みたいなのが言ってたのが記憶にある。赦すってのは違うだろうし、受け入れるってのもちょっと違う気もするし、どういう気持ちなんだろうね。こればっかりは想像しかできないけど、やっぱり復讐って出きる状況でもしないんだろうね。

ま、どらえもん云々とか抜かすキ○ガイとか快楽犯に対しては八つ裂きにしても気が済まないだろうけど。
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