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街のあかり

「街のあかり」を梅田ガーデンシネマにて鑑賞。
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友情にも家族の愛情にも恵まれず、1人で孤独に生きる夜警員の男コイスティネン。ある日、彼はマフィアの男とその情婦ミルヤの策略により、ショッピングセンターの宝石を強奪した罪をなすりつけられてしまう。しかし、ミルヤの愛を信じるコイスティネンは……。

アキ・カウリスマキの新作!ということで張り切って初日朝イチ鑑賞してきた。カウリスマキを初日の朝イチから観に来る人ってどんな人なんだろう、なんて自分のことを棚にあげて客層を見渡してみると・・・30人くらいの客のうち9割が一人。私の確認した限りでは二人組が一組だけであとは全員ソロでした。そして年齢層がかなり高いですね。30代前後が1割、40代前後が7割、50代前後が1割ってところでしょうか。あとは学生っぽいのとおじいちゃんが少々・・・この現場にいる人ってほとんどが映画マニアなんだろうなぁなんて思いながら鑑賞開始。


なんでもこの作品、「浮き雲」「過去の無い男」に続く敗者三部作だそうで・・・イヤな三部作ですね~。前二作ではストーリーが進むにつれてドツボにはまっていく男が主人公でしたが、今作の主人公もあいかわらずのド不幸っぷりです。

警備会社で夜勤勤めの主人公、この男というのがまた不器用な男でして、友達も恋人も家族も何にも無い孤独な男なんですね。日々の生活で唯一の楽しみといえば仕事帰りのウィスキーとソーセージ2本。同僚にもバカにされっぱなしの冴えない男です。ボロアパートに暮らしながら「いつか独立してあいつらを見返してやる」なんて妄想しちゃうところが痛々しい。完全に負け組ってヤツです。
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でもこの男、負け組といっても悲壮感なんて全然無いんですね。超がつくほど真面目で実直、本人は堂々と真っ直ぐ生きてるんです。でも世渡りの要領に著しく欠けるというのがポイントです。真面目なだけでは出世も友達も彼女もできないんですね。そんな孤独な男に女が言い寄ってくるところからストーリーは動き出します。

言い寄ってきた次の瞬間にはもう既に恋に落ちているというスピーディな展開はあいかわらずのカウリスマキ節です(笑)ニコリとも笑わず

「なぜ俺に話しかけた?」
「あなたが寂しそうだったから」

「じゃあ結婚するか」


なんてものすごい展開に思わず笑ってしまいました。
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しかしそこはカウリスマキ、恋に落ちるのも早ければ叩き落とすのも相当早い。実はこの女、ある企みを持ってこの男に近づいていたんですね。そんなわけで男の転落人生が始まります。曰く「犬のように従順でロマンティックな馬鹿」のこの男、彼女に裏切られとんでもない仕打ちを受けようとも、決して彼女を貶めるようなことは言わないんですね。彼女がどんな女かわかってても決して言わない。一度愛したからには、どんなことをされても決して裏切ることはしないという男の中の男なんです。というわけで、落ちるところまで落ちてドン底状態の彼が最後に行き着いたところとは・・・
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周りに流されず、自らを決して曲げずに貫き通した男に訪れるラスト、「敗者三部作」の前二作と同じく、一筋の希望を見出せる結末となっています。しかしながら、いままで相手にもしなかった女性の愛に気がついたというのもちょっと都合よすぎなんじゃないの?という、多少の強引さを感じてしまいますね。まぁストーリーの展開上こうでもしないと一筋の希望どころか絶望しか残らないので仕方ないっちゃ仕方ないんでしょうけど・・・ちょっと不満の残るラストでした。

ネオン煌く近代都市とそれを象徴するような女、対してそこに馴染めない孤独な男と浜辺でソーセージをトレーラー販売する女、この二つが実に対照的です。どんな環境で生きていようとも、孤独に苛まれる生活を送っていようとも、本当に大切なものというのは気がつかないだけで意外と近くにあるものなのかもしれません。それに気付くことが出来れば先の見えない未来にもひかりが差し込んでくるのでしょう。「自分にとってそれは何だろう・・?」なんて考えてしまった作品でした。


「街のあかり」
★★★☆☆☆

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アキ・カウリスマキ作品のレギュラー出演者、「犬」。今作でもバッチリです(笑)
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【このブログでのアキ・カウリスマキ作品レビュー】
過去の無い男★★★★☆☆
10ミニッツ・オールダー/結婚は10分で決める★★★☆☆☆
トータル・カウリスマキ1/真夜中の虹★★★★☆☆
トータル・カウリスマキ1/浮き雲★★★★★☆
トータル・カウリスマキ2/レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ★★★★☆☆


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Comment

ひとすじの灯

こんにちは。

ぼくも、あのラストは……。
でも、後で考えると、
あそこまで徹底して孤独な人生だと、
あのラストは
それこそひとすじの灯以上のものなのかも。

でも、正直言って観ているときは
とてもそこまで感じとることができませんでした(汗)。

>えいさん
こんばんは~。

ラスト、あっけなかったですよね(笑)宣伝文句でいわれてるほどの「希望に満ちた・・・」という感覚はなかったです。パンフみてると、「犬が彼女を導いた」なんてかかれてますけど、映画みてる限りはかなりわかりにくいですし。

劇中はあいかわらずのカウリスマキ節で楽しめただけに、ラストがちょっと残念でした。

おひさしぶりです

おひさしぶりです Baohさん☆
あいかわらず たくさん映画情報載ってて 今 読ませていただきましたが 本当に盛りだくさんですね。

カウリスマキ なんて マイナーに過ぎるのでw こちらでは公開予定はありません・・・。
とりあえず ドイツ映画は主流のようなので 観ようとは思うのですが 何せ 時間の制約が多すぎて・・・哀しいです!

>プリシラさん
こんばんは~。最近映画レビュー減ってますね(笑)でも現地の出来事つづった記事も新鮮で面白いのでいつも読ませてもらってますよ~。

そちらではドイツ映画が多いんですか。どういう基準なんだろう。ドイツ映画の雰囲気がオージーに合うのかな?(笑)

はじめまして

Baohさん、こんばんわ。
はじめてお邪魔いたします。

犬は今回も出てきましたね。
でも主人公の目とあの犬の目がときおり同じに見えました。
何か哀しいものを感じました。
TBさせてもらいました~

>moviepadさん
こんばんは~、初めまして。ようこそいらっしゃいました!

犬でてきたときは「おぉ!」てカンジだったんですけど、結局でてるのはちょっとだけでしたね(笑)ひとりぼっちで孤独、という意味ではあの切なげな犬の瞳が主人公と重なるのも頷けますね(笑)

はじめまして

この監督の作品を初めてみたんですが・・・面白かったです、撮り方が。テーマも独特ですね。こだわりがあるんでしょうね。
男の言動には私も笑えました。トイレの前で酒飲んでたり・・・。
他の2作品も見てみたいと思います。

パム

こんにちはー。
カウリスマキ映画ほど1人で観に行くにふさわしいものはありませんね。
予想通りの負け犬ぶりでしたが、予想以上にふんだりけったりな展開でした。
なので最後に、自分を照らすほのかな灯りに気づけてよかったなぁと。

>カオリさん
はじめまして!
楽しめましたか~。トイレの前で扉ぶつけられるの、可笑しかったですね(笑)無駄な説明が全く無い、異様にスピーディな展開がツボにはまると楽しめますよね。三部作の「浮き雲」と「過去の無い男」も是非!きっと楽しめると思いますよ~。

コメントありがとうございました。またよろしくお願いします!

>かえるさん
こんばんは~。お久しぶりです。
この映画をいっしょに観にいってくれるような人ってかなりレアなような気が(笑)必然的に一人になってしまいますね。

ストーリーが進むにつれてドツボにはまっていく毎度おなじみの展開でしたね(笑)最後の希望は他の2作品に比べてちょっとわかりにくかった印象でした。
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