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ボビー

「ボビー」をTOHOシネマズなんばにて鑑賞。
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1968年のロバート・F・ケネディ暗殺事件当夜、アンバサダーホテルに集った22人に焦点を当てた人間ドラマ。“ボビー”の愛称で国民に愛されたアメリカ大統領候補が凶弾に倒れるまでの一日を、彼に希望を託した人々の人生を通して描く。

本当に良いと思った映画を鑑賞した時、私は体中の力が抜けて何もしたくなくなる。ただ、ぼんやりとしながらあれこれと想いを巡らせて余韻に浸りたくなる。今日この映画を観た直後、私は丁度この状態になった。


物語はロバート・F・ケネディがアンバダサーホテルで暗殺される1968年、丁度その場に居合わせた22人の人たちの織り成す群像劇です。ここにいる人たちは皆ごく普通の人たちばかりです。RFKに深く関わった人だとか、政府の人間だとか、暗殺の黒幕だとか、そういった政治の匂いのする人間は誰一人としてでてこないんですね。誰もがありふれた夢や悩みを抱え、日々を生きる一般人です。そんな彼らの日常が淡々と、静かに描かれています。
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この政治の匂いのしない一般人というのがいいんですね。作品の性質上どうしても政治的メッセージが強くなってしまうのですが、政治とは無関係の人たちの日常を描くことで、劇中は重苦しさを感じることなく鑑賞することができます。そしてこの手の群像劇ではお約束の、最後にそれぞれのエピソードが絡み合って一つの結末へ収束していく・・・ということもこの作品ではありません。ただ、RFKの暗殺されるホテルで居合わせるだけで、全てのエピソードは交わることなく平行線のまま映画は終幕します。

思うにこの映画、群像劇では王道の、複数のエピソードが収束することによってカタルシスを得る、というような作品ではありませんね。ロバート・F・ケネディの掲げた理想を現アメリカ政府への警鐘とするわかりやすい描写と同時に、その時代を生きた人々の日常を個別に描くことによって、現代人にも通じる人間賛歌のような側面もあると思います。
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麻薬でトリップする若者、夢を追いかける娘、徴兵回避の為の偽装結婚に揺れる男女、不倫に悩む女性、それが元ですれ違う夫婦の心、人種差別に怒るメキシコ人、それを諭す「被差別人種の先輩」である黒人、そして静かに交流を楽しむ白人と黒人の老人・・・全てが当時の世相を垣間見せつつ、しかしそれだけでは終わらない、現代人の悩みにも通じるものを含ませながら物語は展開するんですね。
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そんなありふれた人々がメインとなって描かれるからこそ、ラストのケネディの演説が胸に響くんです。ここに描かれる人々の日常を託す指導者になったであろう人物の掲げる理想、彼が生きていたならどうなっていただろう?と、現代の世界情勢をフラッシュバックさせながら考えてしまうんですね。当時の演説をそのまま使っているので、内容といえばあくまで「アメリカ国内」への反戦・反暴力・異文化・人種の協調がメインとなって叫ばれているのですが、これをボーダーレス化した現代に聞いてしまうとそのまま世界全体への叫びに聞こえてしまって胸が熱くなる。

個人的には大絶賛したいほどの作品だったのですが、評価は割れそうな作品でもありますね。政治面だけ注視すればクドすぎる理想論とケネディ崇拝思想がビシバシ伝わってきて辟易してしまうかもしれないし、群像劇だけ注視すれば、お約束の収束カタルシスもないし、どのエピソードも投げっぱなしのような印象を受けてしまうかもしれません。どちらの感じ方も間違っていないのですが、ここで私が強く言いたいのはその2つを同時に、バランス的には政治:群像劇=3:7くらいの割合で観賞すれば、全てのエピソードに我々の日常を身近に感じ、ラストの演説で身近な日常から一気に世界情勢まで飛躍して感じることが出来るという優れた作品だと思うということです。


先日オスカーが発表されましたが、この作品はノミネートすらされていません。受賞したディパーテッドと、ノミネートのリトル・ミス・サンシャインは鑑賞しましたが、個人的には断然この作品こそアカデミー作品賞に輝いて欲しかったと思える作品でした。


「ボビー」
★★★★★☆(5,5!)


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超豪華キャストも見所のひとつ。誰もが控えめで特定の人物だけ立っていないのも好印象でした。
ジム・カヴィーゼル
アンソニー・ホプキンス
デミ・ムーア
シャロン・ストーン
ヘレン・ハント
イライジャ・ウッド
ローレンス・フィッシュバーン
ウィリアム・H・メイシー
クリスチャン・スレーター
リンジー・ローハン
ヘザー・グラハム
アシュトン・カッチャー
マーディン・シーン
メアリー・エリザベス・ウィンステッド


「ファイナル・デッドコースター」で一目ぼれしたメアリー・エリザベス・ウィンステッド。やっぱりカワエエ(*´д`*)
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Comment

baohさん☆

待ってましたぁ~
おお~!!わたしより評価高い!(笑)

baohさんのおっしゃる通りよー、
この映画は普通の希望をかけていた人たちが
こういう惨劇に巻き込まれてしまった。
最後の演説も音楽とともにぐっときますよね、、、
これアカデミー賞有力候補だったのにいつしか外れちゃった(泣)

でもすばらしい作品☆
デミとシャロン姐の絡みもよかったでしょう??(笑)
シャロンのシワ、、、、

>migさん
かなりの高評価です!ってか、めちゃめちゃ良かったです。最初に行こう、と思った動機が「メアリーエリザベス出演」というmigさん情報だったので、感謝です(笑)

なんでオスカー候補から外れちゃったんでしょうね・・・去年のクラッシュと微妙にかぶってる部分もあるし、群像劇が2年連続ってのも微妙っちゃ微妙かもしれませんけど(笑)ホント、素晴らしい作品でした。

デミとシャロンの絡み・・・濃かったです。そして氷の微笑2のシャロンとは同一人物とは思えないシワの数にはビックリでした(爆)

baohさま、こんばんは♪
勢いのある文章から映画への敬意が伝わってきます。
この映画は豪華なキャストたちが普通の人たちを演じることで
政治的な映画を敬遠しがちな方の鑑賞にも堪える作品に仕上がっていますよね。本当に素晴らしい手腕だと思います。

>現代人にも通じる人間賛歌
ここに激しく共感です(笑)
悲劇に終わっていない点が好き☆

こんにちは!
TBさせて頂きました。
私は厨房のシーンで呆然となってしまい、肝心なボビーの演説の字幕がちゃんと追えませんでした。残念です(泣)
エンドロールの写真も印象的でしたね。劇場の明かりがつくまで、ボーっとして余韻を噛み締めました。

>パフィンさん
こんにちは~。
いっぱいスターでてましたけど、どのエピソードも抑え目で過剰な演出もなかったのが逆に良かったです。ケネディ万歳映画というよりも、普通の人たちを普通に描いた人間賛歌という面のほうがメインのような気もしますね。演説はあくまで未来への希望のような印象として受け取りました。

>由香さん
こんにちは~。
ラストの演説良かったですよ!厨房のシーンはわかってる事実なだけに驚きはあまりありませんでした(笑)余韻の残る作品でしたよね。いまでもジワジワきてます(笑)
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