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浮き雲

「浮き雲」を観た。
akikauris.jpg

物語の舞台は、現代のヘルシンキ。夫婦揃って失業してしまった、レストランの給仕長として働いていたイロナと、バスの運転手を務めていたラウリ。家のローンが残っている2人はとりあえず、職探しをするが全くうまくいかない。

「トータル・カウリスマキ」より「真夜中の虹」に続いて鑑賞。アキ・カウリスマキ作品も4作品目ともなれば、どこかで観たことある役者さんばかりになってきます。この監督さん、ひたすら同じ役者さんを使い続けてるんですね(笑)監督と役者、お互いオキニ同士でタッグを組んで複数の映画を撮るというのはよくありますけど(最近ではスコセッシとディカプリオなど)、この監督はそのこだわりが尋常じゃないですからね。どの作品でも同じ顔ぶれなもんだから、観始めると思わず「ま た お ま え か !」と口走ってしまいそうになります。そしてどの役者さんもこの監督の作品でしか観たこと無いような無名(と思われる)の役者さんばかりだから面白い。チーム・カウリスマキってかんじでしょうか。


というわけで毎度おなじみの顔ぶれなんですが、展開もこれまた毎度おなじみですね。とりあえず彼の作品にでてくる主要キャラはみんな悲惨な環境に置かれています。それも最初から悲惨というわけでもなく、ストーリーを追うたびにドツボにはまっていくという悲惨スパイラルの真っ只中を生きる人たちです。

この映画も例外ではありませんでした。つつましく暮らしていた共働きの中年夫婦をある日突然悲劇が襲うんですね。その悲劇とは・・・毎度おなじみの「失業」です(笑)バスの運転手だった夫は鉄道のリストラに合うのですが、誰をやめさせるかをカードで決めるというのに思わず笑ってしまいます。そんな運否天賦な勝負事をこの監督作品の登場人物が勝てるわけ無いですからね。引いたカードは「クラブの3」。次の瞬間、場面変わると男は既に失業してます(笑)このへんの無駄の無い展開がいかにも監督らしくてクスリとしてしまいますね。

そんな夫を慰めつつ妻はレストランの仕事に出かけるのですが、この監督は女性にだって容赦ありません。レストランは買収され、妻もあっさり解雇で失業、失業夫婦の出来上がりです。舞台は整ったといわんばかりのスピーディな失業っぷりに、この監督はどうあっても主人公を失業させたいんだなぁと思わず苦笑いですよ。ここから夫婦の七転八倒物語が始まるわけです。
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やることなすこと全て裏目で、夫といえばやっと決まったと思った長距離バスの運転手の職も健康診断で落とされるわ、おまけに聴力障害まで発覚して免許取消にされるわ、妻は妻でなけなしの貯金はたいて斡旋所に紹介してもらった食堂が脱税で摘発されるわ、働いた分の給料払えと旦那が抗議にに行くと逆にボコボコにされるわでもう散々です。車を売って作った虎の子のお金までカジノでスっちゃうというのもお約束ですよ。この監督作品に出てくる失業主人公、最後の金を不慮のアクシンデントで失うということは最初から決まっていることなのかもしれません。

そんなドツボ人生を劇中は延々見せ付けられます。一向に自体が好転する兆しも無くただひたすら状況は悪化していくのですが、やっぱりこの夫婦はめげないんですね。それなりに落ち込みもしますが、場面かわるともう次のアクションを起こしている。それの繰り返しで物語りは終盤を迎えるのですが、この作品では最後に明確な希望を見出せるショットが用意されているんですね。これが実に良い。劇中ずっと続いた悲惨物語は、全てこれの複線だったのかと思わせるような、素晴らしすぎるショットです。不覚にも目頭が熱くなってしまいました。

どんな逆境にもめげず、互いに支えあって歩んできた夫婦が最後にみる一筋の希望。人生とは不安定でどこへ流れていくかわからない雲のようなもの。しかしながら流されながらも、少しづつでも前へ進んでいけば必ず光は見えてくるんじゃないか、そんなことを感じさせてくれるラストショットでした。前に観た「過去の無い男」「真夜中の虹」も同じようなテーマだったのですが、この作品はそのテーマがより一層わかりやすく描かれています。このラストは一見の価値アリです。オススメ!


「浮き雲」
★★★★★☆

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kauaspilvet.jpg

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Comment

これまた大好きなんですよね・・・

こんにちは、Baohさん。ご無沙汰していました。

これ、ワンコがいいんですよね。
そして カジノでいきなり「負けた」・・・。
あの時はもうどうなることかと 映画なのに心配で心配で(汗)。
ラストでようやく 「あーよかった!本当によかった!」と しみじみ思って心からほっとしました、映画なのに(笑)。
本当にお金のことは大変だけど 頑張っていればなんとかなる!・・・のかなぁとw

>プリシラさん
こんばんは~。

犬、いい味だしてました!使い方が絶妙ですよね~。そしてカジノに入って、場面変わるともう負けてる、という展開にウけました。ほんとこの監督、主人公を一文無しにするのが好きですね(笑)ラストの空を見上げるショット、ジ~ンとしてしまいました。

お金・・・・頑張ればなんとなかなる!・・・と信じたいですね(笑)

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