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美しき運命の傷痕

「美しき運命の傷痕」を観た。
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父親をある出来事で失った三姉妹。それから22年後、彼女たちは美しく成長するが、長女ソフィは夫の浮気に悩み、次女セリーヌは男性との距離のとり方が不得意で恋人ができず、三女のアンヌは父親への強い憧れから、年の離れた大学教授と不倫関係にある。それぞれ問題を抱える3人であったが…。

クシシュトフ・キエシロフスキ監督がダンテの神曲から着想を得て残した「天国」「地獄」「煉獄」の遺稿から、「地獄」を「ノーマンズランド」のダニス・タノヴィッチ監督が映像化した作品です。


はっきり言って私、キエシロフスキの名前があったから借りたようなもんです。彼の作品はまだデカローグ1~3しか観てませんが、それはそれは鮮烈な印象が残ってるんですね。彼の作品には心の深いところにズシンとくる何かがあるんです。特に「ある父と娘に関する物語 」では鑑賞後しばらくピクリとも動けないほどの深い衝撃と感動がありました。

そんな監督の遺稿を元にした作品というから観ないわけにはいかない。しかしながら監督がかわれば全くの別物になるのが映画。特にこの作品はリメイクなんてものではなく、別監督による全くの新しい作品。そんなわけで、期待と不安両方を感じながら鑑賞開始。

う~ん

この作品

一言で言ってしまえば

高級なメロドラマ

といったところでしょうか。フランス人がメロドラマ作ったらこうなった、ってかんじですね。夫の不倫のおかげで精神不安定で壊れ気味の長女、いい年こいて男が苦手な次女、純情一直線で別れ話を切り出された不倫相手の男の家庭にのりこむような痛女の三女、こんなアイタタタな三姉妹のエピソードが平行して物語は進みます。
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「地獄」をモチーフにしてるだけあって、とにかく救いのないエピソードばかりです。こんな三姉妹の母親といえば、昔の夫の死を伴う「ある事件」によって体も言葉も不自由な状態で施設暮らしというから、この家族の悲惨さには涙がでそうになりますね。まぁでないんですけど。

バラバラに暮らしていた三姉妹が、次女の知った「父親の死の真相」をきっかけに施設暮らしの母親の元へ集います。そこで明かされる真実とは・・・

「それでも私は後悔していない」


まるで「だからどうだと言うの?今更そんなことに何の意味が?あの時は娘を守り、行き抜くためにはああするしかなかったのよ」といわんばかりの母親の毅然とした目が印象的です。そんな母親を囲んでフリーズする三姉妹。どんな悲惨な、絶望しか見えないような状況でも、行き抜くためなら何だってする・・・そんな開き直りにも似た骨太な強さがあります。このあたりは「風と共に去りぬ」で「盗みを働いてでも、例え人を殺してでも生き抜いてやるわ!」と夕陽をバックに大根をほおばりながら絶叫するスカーレットに通じるものがありますね。

しかしこの作品はフランス映画、風と共に去りぬのようなメリハリにとんだ起伏のあるストーリーではなく、淡々とストーリーは進むんですね。そして何より、非常に暗い。これが疲れきった平日夜にはいい塩梅の子守唄代わりに・・・正直劇中は2,3回意識が飛びました。だってつまらないんだもん。

なんつーか、全然胸にきませんでした。印象的なのはラストだけですね。冒頭で、巣から落ちた雛が戻されて、他の卵を蹴り落とすシーンがラストと繋がっているのですが、すっかり冷めた目で観てしまっていた私には「あ~そういうことね」くらいにしか思えませんでした。もっと言ってしまえば、「ありきたり」ですね。一見深そうに見えて、実は底が浅いと言うか何と言うか(何様w)。フランス映画の独特の雰囲気にのせて描かれるメロドラマ、そんな印象の作品です。

そしてこの作品を観終えて、最初に思うことは「キエシロフスキが撮ってたらどうなってたんだろう」ですね。この世にいない人間の作られてもいない作品と比べるのはナンセンスも甚だしいが、やっぱりそんなことを思ってしまわずにはいられない、残念な気持ちの残る作品でした。


「美しき運命の傷痕」
★★☆☆☆☆

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Comment

テンプレがピンク(・∀・)
カメラアングルとか暗喩の使い方とか演出は凝ってるんですけどね~
そういうレトリックにドラマ性がついてこないっつーか。
遺稿がどの程度のものだったか解りませんが脚本の構図もちょっと単純ではあるので、運命と偶然というテーマまで持っていくのが大変だったんじゃないかなと思いました。
「トリコロール」青白赤の順で最後まで観ると鳥肌立ちますよw

>linさん
演出面では凝ってたんですけどね~・・・それだけかなーという印象です。なんかこう、内容に引き込まれるものがないというか何と言うか。

とりあえずこれみるまえにトリコロールみるべきですねw今度みてみます!
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美しき運命の傷痕

原題は「地獄」。冒頭タイトルバックの映像が非常に凝っている。が、鳥の巣を中心に展開される映像が本編の内容とどのようなつながりがあるのかすんなり頭に入ってこない。もう一度見れば分かるのかもしれないが。映画の内容はシリアス、出演者も熱演、全体に力作....

「美しき運命の傷痕」

 美しき運命の傷痕「美しき運命の傷痕」 ★★★☆L' ENFER、HELL (2005年フランス/イタリア/ベルギー/日本)監督:ダニス・タノヴィッチ 原案:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピエシェ

映画『美しき運命の傷痕』

原題:L'Enfer"evian"を逆から読めば、確かにナイーブ、ここで使われるナイーブの意味は、"お人好し"の意味、お店でわざわざお金を払って水を何杯も飲んでる人のこと ダンテの「神曲」に発想を得た「天国」「地獄」「煉獄」の3部作・・この物語は
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