スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ディア・ウェンディ

「ディア・ウェンディ」を観た。
dear_wendy.jpg

アメリカの小さな炭鉱町に住む青年ディック。坑内が苦手で食料品店で働く彼は、炭鉱で働けないことに劣等感を抱いていた。ある日、家政婦の孫の誕生日プレゼントにとおもちゃの銃を買ったディックだったが、結局それを渡すことはなく、ダンボール箱にしまいこむ。数年後、父を亡くしたディックは、ダンボールの底から銃を見つけ出す。

箱庭のような街、それはリトル・アメリカ

鑑賞開始してすぐに奇妙な違和感を感じた。舞台となる街がまるで箱庭のようなんです。人もいるし建物もある、だがどこか現実感がない。何だかジオラマの中で展開されている人形劇を観ているような感覚を覚える。これは以前に感じたことのある感覚だ。そう、床にチョークで線を引いただけのセットを舞台に描かれた「ドッグヴィル」を観た時の、あの違和感とソックリなんです。調べてみればやっぱりこの人、ラース・フォン・トリアー。「ドッグヴィル」「マンダレイ」ときて次回は「ワシントン」という、アメリカ3部作を製作中の彼ですが、今作では監督では無く脚本を手がけています。

そのラース・フォン・トリアーの手がけるこの作品、ジャンル分けすれば「青春映画」にカテゴライズされる作品かもしれない。しかし単純な青春映画で終わる訳は無く、例によってアメリカ社会への痛烈な皮肉が込められています。今作での彼のテーマ、それは「銃」。
0068-dear_wendy_01.jpg

「ねぇ、銃を1丁持ってきたの」


こんな台詞があどけない女のコから平気で発せられる先進国、それがアメリカ。あの国では銃による死亡者が年間何万人でようとも決して規制されることは無いでしょう。いくら銃規制の運動を起こそうとも、「人を殺すのは人であって銃ではない」というスローガンを掲げる全米ライフル協会と政治家の結びつきが無くならない限りありえませんね。

そんな銃社会であるアメリカを、とある小さな街に詰め込んでこの物語は展開されます。様々な問題を抱えた「自分に自信を持てない」子供たちが結成した秘密結社、そこで彼らは銃を携帯することによって自信を身に付けていきます。秘密結社の掲げるテーマは「銃による平和主義」。まさにその身をもってアメリカを体現してくれている少年達。そんなアメリカンな彼らの行き着くところは・・・・
dearwendy.jpg

重いテーマを扱った作品ではあるが、娯楽作品としてもなかなかの作品だと思います。The ZombiesのTimes Of Seasonをメインテーマに、劇中に流れる音楽はイイ感じだし、西部劇と中世貴族のまざったようなそれぞれの衣装も何だか味があってカッコいい。そして青春映画として、少年達の心の変化もよく描かれているし、後半のありえない怒涛の急展開も見応え十分です。それぞれのキャラクターと銃の紹介シーンなんかはコミカルで笑ってしまいましたよ。

これは密かに傑作じゃないでしょうか。青春映画にはちょっとうるさい私ですが、この映画には「当たり!」と太鼓判を押したい。重いテーマと映画としての娯楽性が絶妙なバランスで混ざり合っています。社会派としての側面に傾いてしまうと説教くさくなるしつまらなくなってしまう、娯楽に傾くとなんだか軽いイメージになってしまって結局何も残らない、そんな難しい相反する二つの要素を見事に合わせて昇華させた、数少ない作品でしょう。オススメです。


「ディア・ウェンディ」
★★★★★☆

記事が気に入りましたらクリックお願いします!→映画ブログランキング


Dear20wendy.jpg

三銃士みたいでカコイイ
dear_wendy-410.jpg

スポンサーサイト

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

Comment

こんにちは。

この映画、映像的にも見どころがたくさんでした。
そしてあのラスト。
やはりラストが記憶に残る映画と言うのは、
いい映画の必要条件だと思います。

>えいさん
こんばんは。

映像面でも遊びがあって良かったですよね。重いテーマをコミカルに描くって難しそうですけど、この作品はバランスが絶妙でした。
銃に頼った人間達の行き着く先・・・というラストも、非現実的な描写でありながら、実はすごく現実的な意味がこめられているように感じて唸らされました。

Dick&Wendy(・∀・)

TB・コメありがとうございます。
ファムファタール物も青春映画もトリアーの手にかかるとこんなことになっちゃうんですねw、やっぱりアメリカ三部作じゃないか!と(笑。
西部劇とか黒人の位置づけなんかも上手いですよね、baohさんの箱庭という表現はぴったりだと思います。物凄く胡散臭い青春映画でしたw

>linさん
胡散臭い青春映画(笑)

アメリカ三部作~番外編~ってカンジですよね。トリアーばかりフィーチャーされてる作品ですが、遊び心を加えて全体的にソフトに仕上げてるところに監督の意地を見ましたw

監督さんにはちょっとかわいそうですが、観終わって残るのはやっぱり「トリアー」(笑)

こんにちは☆
あっちの世界に足を踏み入れてしまった者です。

やっとレビュー書きました(笑)
だいぶ前に観たやつなので、内容忘れ気味ではありましたが、ラストの銃撃戦のシーンとダンディーズのダサ衣装だけはまだ鮮明に覚えてます。

私も自分のバイクに名前つけたりするので主人公が銃に名前つけちゃった気持ちは分かるなぁ。
ちなみにバイクの名前は・・・やっぱり恥ずかしいので秘密です。

>マイコさん
こんばんは☆
あいかわらず貯めてますね!(笑)

私もバイクに名前つけてました。原付ですけど。Jogに乗ってたんですが名前はDioくんでした!!(意味不明)
非公開コメント

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ディア・ウェンディ

この「ディア・ウェンディ」は試写会で観ました。と言っても観たのは先月の28日だったんですが。だいたい試写会というと1830とか1900開演だったりするんですが、なんとこの試写会は2130開始!こんな遅い時間の試写会は初めてだよ。2130までどうしよう~と

ディア・ウェンディ / DEAR WENDY

「親愛なるウェンデイ、、、もし誰かが僕に致命的な一発を撃つなら、その弾丸は、君から発射されたものであって欲しい。」そう言わせるほどに、偶然出会った銃に運命を感じて、片時も肌身離さずに時にまるで恋人のように語りかけ、愛情を注ぐ少年。銃を擬人化して捉えた、斬

『ディア・ウェンディ』

※結末に触れる部分もあります。ご覧になってから読まれることをおススメします。「ふうむ、こういうのを才能と言うんだろうな?」----おっ、いきなりだニャ。これって女性への愛を謳った映画?ウェンディって女性の名前だよね。「いやそうではなくて、これは主人公のディッ

「DEAR WENDY」ジャパンプレミア

「DEAE WENDY」ジャパンプレミア 渋谷アミューズCQN で鑑賞ジャパンプレミアです。監督さんと主演の少年の舞台挨拶がありました。こんな小さな劇場でプレミアで挨拶があるんだ。とまず驚きましたが実はこのアミューズCQNの開館1周年の記念イベントだそう

銃社会への皮肉

202「ディア・ウェンディ」(デンマーク) ラース・フォン・トリアー脚本、「デス・フロント」のジェイミー・ベル主演の青春劇。「リトル・ダンサー」も「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も観ていないが、興味ある内容だったので観ることにした。 アメリカのある炭鉱町。

「DEAR WENDY ディア・ウェンディ」

 DEAR WENDY ディア・ウエンディ「DEAR WENDY ディア・ウェンディ」 ★★★☆DEAR WENDY (2005年デンマーク/フランス/ドイツ/イギリス )監督:トマス・ヴィンターベア 脚本:ラース・フォン・トリアー

DEAR WENDY ディア・ウェンディ

Dear Wendy,そしてすべてが始まった

DEAR WENDY ディア・ウェンディ

『DEAR WENDY ディア・ウェンディ』あらすじ『アメリカの小さな炭鉱町。坑内が苦手な青年ディックは、食料品店で働きながらも、鉱夫ではない自分に劣等感を抱いていた。そんなある日、ディックは家政婦の孫の誕生日プレゼントにしようと、おもちゃの銃を買い...

ディア・ウェンディ

『ディア・ウェンディ』?(‘05/デンマーク・フランス・ドイツ・イギリス )監督:? トマス・ヴィンターベア? ラース・フォン・トリアーらによって始められた「ドグマ95」という映画手法を用いて、1998年に『セレブレーション』でカンヌの審査員賞を受賞したトマ
クリックお願いします
br_decobanner_20100209113847.gif br_decobanner_20100209114432.gif
プロフィール

baoh

  • Author:baoh
  • 【評価基準】
    ★★★★★★

    ★★★★★☆ 
    最高!
    ★★★★☆☆ 
    (・∀・)イイ!
    ★★★☆☆☆
    見所アリ
    ★★☆☆☆☆
    微妙
    ★☆☆☆☆☆
    制作者でてこい
    ☆☆☆☆☆☆
    市中引き回しの上斬首


    ご意見・苦情・恋文などはこちらからどうぞ
    →baoh77@hotmail.com


My favorite
Evanescence - "Bring Me To Life"        映画「デアデビル」テーマソング

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
MOVIE NEWS

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

お友達Blog
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。