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ある愛に関する物語/デカローグ3

「ある愛に関する物語」を観た。
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アパートの向かいに住む美しい年上の女を、望遠鏡で覗き見する青年。やがてそれが露呈したとき、何もいらない、ただ愛していると言う青年に対し、女はその心を貶めるような行動を取るが…。

「デカローグ3」から、今回は「ある愛に関する物語」。「殺人に関する短いフィルム」と同様、「愛に関する短いフィルム」として劇場公開された作品です。

今作の十戒からのモチーフ、「姦淫してはならない」。


これがたった60分の作品なのか?と思えるほど濃密で引き込まれた作品だった。映画の密度に尺など関係無いということを思い知らされた1本。

アパートの向かいから望遠鏡で年増女の部屋を覗きこむ一人の青年。どことなく青田典子が老けたような女と、その青年の心の変化を淡々と描いています。

興味本位で始まった覗き行為、淫らな彼女の私生活は女を知らない青年にとって刺激的だったが、覗いているうちに彼女の人間としての一面を垣間見るようになり、単なる性的衝動の対象から「愛」の対象となる。でもそれは彼女のことを理解した愛ではなく、一方通行の愛なんですよね。今で言うストーカーみたいなもんです。

それだけだと只の変態くんムービーなんですが、この作品は一味も二味も違います。一方通行の愛を妄信し、勇気を出して彼女と接触した彼、その愛は間違っているということを教えようとする彼女、その二人の関係と心境の変化の描写が実に秀逸なんです。青年の想い描く愛、彼女の想い描く愛、どちらもいびつな愛のカタチ。

幻想を打ち砕かれた青年に声をかける彼女、それに対して心境の変化を示す青年の最後の台詞、その直後に切り替わる、いつのまにか青年のことが気になりだした彼女の最後のショット。このラストカットに鳥肌がたってしまった。青年の台詞を挟んでの、最初と最後の彼女の映像の色彩がまるで違うんです。ホっとしたような、優しげに青年を見つめる最初の彼女は色彩豊かな映像、青年の台詞を挟んでの彼女は、錆び付いて色褪せたような映像。この変化は何を表わしているのか?

妄信する一方通行の愛を打ち砕かれた青年の変化、それは紛れも無く「成長」だろう。ならば彼女の変化は一体何なのか。錆びたような映像がブラックアウトしていく最中、彼女は少し、寂しそうに微笑んだように見えた。一見すると、いつのまにか惹かれてしまっていた青年が自分の手元から離れてしまったことを寂しく思っているような描写に見える。しかし、これは彼女にとっての「成長」だったんではないだろうか。肉体的な結びつきに愛を感じていた彼女が、青年の変化を通して別の愛の形を知った瞬間だったのではないかと思ってしまう。

「汝、姦淫するなかれ」をモチーフに描かれたこの作品、形こそ違えど、いびつな愛が全てだった二人の関係を通して「成長すること」を描いた作品なのだろう。


「ある愛に関する物語/デカローグ3」
★★★★★☆(★5,5!)

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