スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヴェラ・ドレイク

ヴェラ・ドレイク」を観た。
vera.jpg

1950年代のイギリス。明るい働き者で一家の母。気だての良いヴェラ・ドレイクには秘密があった。望まない妊娠をしてしまった女性たちの堕胎の世話をしていたのだ。しかし当時のイギリスでは、人工的な妊娠中絶は法律で禁じられていた。ある事件がきっかけでヴェラの秘密は白日の下に晒され、彼女自身も裁判にかけられてしまう。

このパッケージにこのレビュー、いやがうえにも「優しいおばあちゃんの悲劇」を連想させます。これは泣ける予感!とレンタル、ハンカチ片手に鑑賞。


う~~~ん・・・なんともやるせない、モヤモヤ感が残ってしまった・・・。

基本的に私は「家族モノ」に弱いんです。冒頭の、つつましい生活の中でも誰に対しても底抜けに優しく、外で家政婦として働き、道行く人にも笑顔を絶やさず、家に帰ったら熱いお茶を一杯のみながらすぐに愛する家族の為に夕食の準備を始める、そんなヴェラにまだ何も起こってないのに開始5分でなんだか泣きそうになってしまった。

そんなヴェラがアパートで声をかけた寂しい独身の中年男、レジーがまたいいんです。個人的にこの映画の登場人物の中で最も好きかもしれません。少ない台詞の中にも彼の優しさがにじみ出てるんです。階段ですれ違ったヴェラに「ちゃんと食べてる?今度うちに来なさい」と夕食に誘われた時の台詞。

「ご迷惑では?」
「まさか!」
「本当に?」
「大歓迎よ」
「行きます!」


うれしそうに階段を登っていくレジー。何なんですかこの優しさとむずがゆさの同居するシーンは。もう大好きです。食べ終わった後の、「ご馳走様、うまかった。素敵なディナーをありがとう」と言葉少なめに感謝の意を述べるちょっとしたシーンも、彼の不器用だけど礼儀正しい、何だか純朴な印象を受けてしまいますね。

そしてヴェラの罪が公になり、保釈期間中に迎えたクリスマスディナー。誰もまともに言葉を発さない、何ともやりきれない重苦しい雰囲気の中、今までずっと一人で生きてきた彼がこう言うんです。

「僕の人生の中で最高のクリスマスだ。
 ありがとう、ヴェラ。感謝します」


。+.。゚(つд`o)゚。+。 ウォォン

この映画の中で最もグっときましたよ。なんていいヤツなんだこいつは。

そしてヴェラは裁判にかけられ、なんとも言いようのないラストへ向かっていくわけですが、う~ん・・モヤモヤします。作品の性質上、ミラクルどんでん返しなんて起こるはずがない、ってわかりきってるんですが、やっぱりモヤモヤします。「罪は罪」それはわかってる。やっぱり当時の時代背景や宗教上の観点から、この罪に対する認識が現在の私達と大いに食い違ってるからでしょうか。なんとか妻を信じ愛そうとする夫、勢いにまかせて「一家の恥だ」と吐き捨ててしまう息子。「あんな人顔もみたくない」とまで言い切ってしまう義弟の婚約者。

求められるがままに無償で堕胎の助けをしていたヴェラにとって、あまりに救いがない。「罪は罪。だがおまえは困っている人の為にやった。胸を張って罪を償ってきなさい」なんて台詞を期待したんですが、ありえませんでしたね。誰もが心の底で思ってても、間違ってもそんな台詞はでない。それほどのタブーだったんでしょう。個人的には家族の優しさの描写よりも、ヴェラの哀れさのほうが際立って感じてしまったのでなんとも・・・

追求されたヴェラが、自分で「人助けの為に・・」と声を詰まらせながら言い訳するシーンが何ともやりきれませんね。ずっと横にいた婦人警官も終始顔をゆがませていたのが印象的でした。これは隠れた名演技です。これから観る人は見逃さないように。

そしてどういう終わり方をするのかと思って観ていると、「え、これで終わり?」っていうあっけない幕切れ。なんだかおいてけぼりにされた気分ですよ。

なんともやりきれないモヤモヤした気分にさせてくれる作品。124分もの上映時間、最後までまったくだれることなく作品に入り込んでしまったんですが、最終的には「考えさせる何か」や「作品を通してのメッセージ性」がいまいち残らず、モヤモヤだけが残った作品でした。

ただ、独特の演出で有名な監督らしく各役者陣の演技も素晴らしいし、演出的には文句のつけようのない出来だと思います。過剰な演出もなく、批評家が絶賛するタイプの映画ですね。こういう後味の微妙な、モヤモヤの残る映画が好きな人にはオススメの作品です。

「ヴェラ・ドレイク」
★★★★☆☆

Pleaseクリック!→映画ブログランキング


vera-drake06.jpg

vera-drake08.jpg

vera-drake09.jpg

vera-drake03.jpg

↑この婦人警官に注目!
スポンサーサイト

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

Comment

珍しく!

私も見たいと思ってた作品だ(笑)

時代背景からしてもハッピーエンドはありえないね。
ラストはモヤモヤなのかぁ。
でもやっぱり見てみたい。

珍しい!

こういうの好きそうだね!

そんなゆぷさんには「海を飛ぶ夢」とこの映画、2本立てで観ることをオススメします!

モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤイモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ

問題:1ヶ所顔のデカイおかしなトコロがあります。

これ気になってマス。
いつか観るので、そのあと読ませてもらいますー。
ところで、、、
上の写真、T2のエディ☆
かわいいー。
妹のyueが昔大ファンで、、、、
T2も大好きですよ☆
最近のエディは下降気味だけど
「デトロイトロックシティ」も好きですよ♪

>migさん
ぉーエディに反応してくれた!(笑)
実は私、T2めちゃくちゃ好きなんですよね~。いつかレビュー書きたいと思ってるんですが、好きすぎてこの思いを文章で表わせるかいささか不安なのでまだ書けてません(笑)

そしてこの頃のエディ、最高ですよね!公開当時、この「前髪タラリ」の髪型マネしてましたもんw

観ましたー、、、ワタシも
みなさんみたいに普通に絶賛できなかったなぁ。。。
あの罪は当然なのに、
いつかは罰せられるとは思っていなかったのか?
ひたすら可哀想なおばちゃんで、、、
それとあの家族も好きじゃなかったんですよね。個人的には。
それでもやっぱりあの演技で☆ひとつ追加!デシタ。

>migさん
素直に感動できませんよね。なんかこう、モヤモヤと・・・

あの家族もなんだか感情移入しにくい家族でしたね。ちょっとぎこちなく見えてしまいました。子供2人が微妙に痛いし(笑)

確かに・・・

あのラストシーン、あっけなかったですよね。
しかし、あのトシでムショ暮らしかぁ・・・と思うと、
なんとも胸が苦しかったですね。

>伽羅さん
おばあちゃんと刑務所ってのが・・・それだけで1本映画とれそうなくらい涙を誘いますね(笑)

ラストはなんだかプツンと切られたような、置いてけぼりにされた気分になってしまいました。
非公開コメント

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ヴェラ・ドレイク

 家政婦としてはりきっている主婦ヴェラ・ドレイクは、困っている女性を助けるために人知れず“必殺仕事人”となる・・・

ヴェラ・ドレイク

重いなぁ・・・でも見ても損はないと思う。誰にでも優しいおばさんが大罪の妊娠中絶をして娘さんたちを助けていたお話です。これって法律で定められてるしキリスト教からもから悪いことなんだろうけどでも助けを求めている人がいることも確かなんですよね。だからこそ善悪が

『ヴェラ・ドレイク』

Vera Drake(2004/イギリス・フランス・ニュージーランド)【監督】マイク・リー【出演】イメルダ・スタウントン/フィル・デイヴィス/ピーター・ワイト監督名だけで観に行く一人マイク

『ヴェラ・ドレイク』

これは、真のヒューマン・ドラマ。黄金の心をもつヴェラと家族の絆に深く感動。こんなに静かな物語なのに、とてもとても力強い。愛情や優しさは伝染するものなのかもしれない。1950年のロンドン。労働者階級の人々が暮らす界隈。家政婦のヴェラ・ドレイクは、自動車修理工場

生きるか死ぬかの選択~「ヴェラ・ドレイク」

ヴェラ・ドレイク   最近映画に対しての熱が冷めたみたいなことを書いたけれど、突然銀座に行きたくなったので、銀座というか京橋で「ヴェラ・ドレイク」を観てきた。えらく重いシリアスな話。ネタバレになるけど中絶が犯罪だった頃の堕胎と家族の絆....

『ヴェラ・ドレイク』

先週の水曜日、公開終了間際にやっと滑り込みで観て参りましたよ 先日ここでご紹介した2本の作品で、すっかりお気に入り監督になったマイク・リーの最新作。 公式サイト 散々”気になる気になる”と大騒ぎしておきながらビリケツ鑑賞になっちゃいましたが(

ヴェラ・ドレイク(評価:☆)

【監督】マイク・リー【出演】イメルダ・スタウントン/フィル・デイヴィス/ピーター・ワイト/エイドリアン・スケアボロウ/ヘザー・クラニー/ダニエル・メイス/アレックス・ケリー【

DVD「ヴェラ・ドレイク」

1950年、冬のロンドン。よき妻、よき母、自分の母親の介護や近所の人の介護までする人に一生懸命尽くす素敵な女性ヴェラ・ドレイク。しかし、家族にも打ち明けられない秘密が、、、妊娠し出産が出来ない女性のために堕胎の手助けをしていた。。。前半は、夫を愛する...

ヴェラ・ドレイク

ヴェラ・ドレイク/VERA DRAKE公式サイト  >>>2004年  イギリス・フランス・ニュージーランド監督 : マイク・リー1950年、冬のロンドン。平凡な主婦ヴェラ・ドレイクは、自動車

ヴェラ・ドレイク/Vera Drake

2005年劇場公開、アカデミー賞脚本賞にノミネートされ、ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞 主演女優賞受賞を果たした作品。ヴェラおばちゃんがしていた、"善いこと”は"してはいけないこと"でした。家政婦としての仕事と家事をこなし、近所の人たちにも親切

ヴェラ・ドレイク

『秘密と嘘』(おススメ!)の名匠マイク・リー監督による、どんな逆境にも負けない、深い家族愛を描いた、静かなるヒューマンドラマの秀作!!STORY:1950年代のイギリス・ロンドン。主婦のヴェラ(イメルダ・スタウントン)は、優しい夫と一男一女、一家4人...

『ヴェラ・ドレイク』’04・英・仏・ニュージーランド

あらすじ1950年のイギリス。ヴェラ・ドレイク(イメルダ・スタウントン)は労働者階級の人々が暮らす界隈で、愛する夫、息子と娘に囲まれて病気で動けない近所の人たちを訪ねては甲斐甲斐しく世話を焼き家族団欒の時間を大切にし、いつも笑顔を絶やさない。しかし、そ..

ヴェラ・ドレイク

彼女の心は黄金だ

ヴェラ・ドレイク

『秘密と嘘』のマイク・リー監督の作品。単館での公開で、映画館は連日満員だったらしい。DVDで鑑賞。1950年のロンドン。労働者階級の平均的な主婦、ヴェラ・ドレイクは愛する夫、息子と娘に囲まれ、小さなアパートで暮らしていた。病気で動けない近所の人たちを訪

ヴェラ・ドレイク

ヴェラ・ドレイクDVDレンタル発売中ストーリー ☆☆☆☆映画の作り方☆☆☆☆総合

映画『ヴェラ・ドレイク』

原題:Vera Drake優しさゆえに犯した罪、それでも法が法であるために、そして哀しくも見せしめと言われ、彼女は2年6ヶ月の禁固刑を受け入れた・・それでも幸せな彼女・・ 1950年イギリスはロンドンの下町、決して裕福ではないが、家族とともに幸せな日々を暮らすヴェ

映画鑑賞感想文『ヴェラ・ドレイク』

さるおです。 『VERA DRAKE/ヴェラ・ドレイク』を観たよ。 監督・脚本は『NAKED/ネイキッド』『SECRETS & LIES/秘密と嘘』『人生は、時々晴れ』のマイク・リー(Mike Leigh)。 出演は、ヴェラ・ドレイク役に『SENSE AND SENSIBILITY/いつか晴れた日に』『SHAKESPEARE IN
クリックお願いします
br_decobanner_20100209113847.gif br_decobanner_20100209114432.gif
プロフィール

baoh

  • Author:baoh
  • 【評価基準】
    ★★★★★★

    ★★★★★☆ 
    最高!
    ★★★★☆☆ 
    (・∀・)イイ!
    ★★★☆☆☆
    見所アリ
    ★★☆☆☆☆
    微妙
    ★☆☆☆☆☆
    制作者でてこい
    ☆☆☆☆☆☆
    市中引き回しの上斬首


    ご意見・苦情・恋文などはこちらからどうぞ
    →baoh77@hotmail.com


My favorite
Evanescence - "Bring Me To Life"        映画「デアデビル」テーマソング

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
MOVIE NEWS

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

お友達Blog
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。